
エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY
- 2012年9月27日〜2019年8月15日に放送されたアメリカのドラマ
- シーズン1〜シーズン7で、完結している
- 主演は、ジョニー・リー・ミラー、ルーシー・リュー
「エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY」は、個人的ベストドラマ10に入るくらいお気に入りの作品。
事件の謎解きはもちろん、主人公であるホームズ、ワトソンのキャラクターも面白い。
ホームズとワトソンが、互いに過去に大きな傷を抱え不器用ながらも強く生きていて、物語が進むにつれて自分自身と向き合い変化していく姿も見どころ。
2人の相棒としての唯一無二の関係性が好き。
導入
シーズン1の第6話
原題は「Flight Risk」、邦題は「危険なフライト」
ホームズの父からの連絡
ワトソン宛にホームズの父からメールが届く。
尚、ワトソンは雇い主であるホームズの父とはメールでやりとりをしていて、直接会ったことはない。
今日N.Y.に行くので、ホームズとワトソンと食事でもどうかというお誘い。
それを聞いたホームズは鼻で笑う。

親父を長く知る俺の言葉を信じろ。アイツは食事にくる気 などない。
ホームズの父との確執は深いねぇ😮💨
飛行機事故
凶悪事件が起こらず退屈なホームズは、(勝手に傍受している?)警察無線を聞いて、ワトソンと飛行機事故の現場に(勝手に)かけつける。

何をしにきた?これは事故だぞ?
そんなグレッグゾン警部をスルーして、ホームズは現場にいる航空のエキスパートに(一方的に)質問を。

俺の推論が事故の原因を見つけるのに役に立つ
と言い張るも、エキスパートに「間に合ってます、結構です」とあっさりお断りされる笑
場違い過ぎて、いつもとは、また違った意味でアウェイ😅

帰れ
ものすごく邪魔者扱いされているのに、ガン無視して現場の観察を始めるホームズ。
砂浜に落下した飛行機とご遺体が4体(パイロットと乗客)。
ホームズは、すぐに乗客が弁護士であること、そして亡くなった乗客3人(男性2人、女性1人)のうち1人の男性は、墜落事故が起こる前に、後頭部を鈍器で損傷され殺害されたことを見抜く。
事件捜査
航空会社オーナーの話
事故は運輸委員会が、殺人については警察が調べることになる。
グレッグソン警部とホームズは、取調室で、今回の事故機の航空会社のオーナーであるチャールズ・クーパーから話を聞く。
クーパーは、パイロットのジョー・ニューウェルとは友人。
弁護士のウォルター・デブリンは常連客で、ハンク・ジェラードとエリー・ウィルソンは彼の部下。
今回殺害されたのは、ハンク・ジェラード。
クーパーによると、パイロットのジョーは、腕も人柄のよく客ともめたことはない、ジェラード殺害の犯人ではない、という。
法律事務所への聞き込み
ベル刑事が法律事務所に電話で聞き込み。
亡くなった3人の弁護士は、カーマン・フーズ社を相手取って、発がん性のある人工甘味料の集団訴訟のために、マーサズ・ヴィンヤード島に向かっていたとのこと。
1億円の補償を求めての裁判だったが、方針をめぐっては3人の弁護士は揉めていたらしい。
デブリンは示談、ジェラードは裁判を主張し、オフィスで何度か激しい口論になっており、ジェラードは解雇寸前だった。
墜落機のブラックボックス発見
墜落機のブラックボックスが発見され、機内でのやりとりの録音が再生される。
そこには、「どういうことだハンク!許さん!」とジェラードを一方的に責め立てるデブリン、「落ち着いて、後ろに」となだめるエリー・ウィルソン、無線が聞こえないから静かにするように促すパイロット・ジョーの音声が入っていた。
奇妙なことに、被害者のジェラードの音声は入っていない。
しかも、ジョーは管制官に、搭乗は3名だと報告している。
ホームズが推理。
ジェラードは今朝別の場所で殴打され殺害され、理由はわからないが飛行機の貨物室に入れられた。
デブリンは時間になってもやってこないジェラードに電話をして、怒りを留守電にぶつけた。
ウィルソンがそれをなだめようと(デブリンの声のせいでパイロットが無線を聞き取れないので)、後部の座席にデブリンを誘導。
その真下の貨物室に90kgのジェラードのご遺体があるとは知らずに。
そして重さのバランスを崩した飛行機は墜落したのだ。
デブリンとウィルソンは、犯人ではない。ジェラードがどこにいるかも知らなかった。
優秀なパイロットのジョーも、余分な重量となるご遺体を貨物室に入れる危険を冒すはずがない。
ジェラードを殺害した犯人は、まだ生きている。
ホームズは飛行機が怖い?
ワトソンは、ホームズに「飛行機恐怖症なのか?」と尋ねる。
当初は単なる事故だったのにこだわっていたし、事故現場でも様子がおかしかった。
推理の時に、壁やボードに貼る資料も飛行機の写真はなく図面だけ。

俺を分析するのはやめてくれ

ロンドンからどうやってN.Y.にきたの?

・・・・・・
ホームズのことを知ろうとするワトソンと、それを拒むホームズの図。
航空会社の監視カメラ映像
監視カメラの映像を確認するために、航空会社を訪れるベル刑事、ホームズ、ワトソン。
そこには、オーナーのクーパーと従業員のバーツがいる。
離陸45分前の駐車場の映像を確認。
ジェラードと、見知らぬ男が言い争いしている。
10分ほどして、男は帰った。
ジェラードは生きて航空会社までやってきて殺害されたことになる。
他の角度の映像はないか尋ねるベル刑事に、もう一台のカメラは壊れているとバーツが答える。
ホームズとワトソンは、監視カメラ映像を持ち帰り自宅で分析。
ホームズは、服のロゴから、ジェラードと言い争っている男が、カーマント・フーズ社に勤めていることを突き止める。
ジェラードたちが請け負っていた甘味料訴訟の相手会社だ。
その男が「90年代のポケベルをまだ腰にぶら下げている」というホームズに、「インスリンポンプよ、その人糖尿病ね」と教えてあげるワトソン。
言い争っていた男が判明
ベル刑事とホームズは、カーマント・フーズ社のエド・ヘアストンを訪ねる。
ハンク・ジェラードのことは知らないというエドだったが、監視カメラの映像の話をすると、周囲を気にしながら、実はハンク・シャラードのことは知っていたし協力していた、と話し出す。
エドは、訴訟のために、自分の会社の内部情報を流していた。しかし、証言は拒否した。
監視カメラの映像は、シェラードに証言を依頼され、断ったため口論となったが、その後エドは帰ったという。
エドの様子を見て、ホームズは彼を容疑者から外す。
2型糖尿病であるエドは、著しく握力が低下していた。
重いレンチでハンク・ジェラードを撲殺するのは無理だ。
ホームズ父との食事
ディナーの約束
事件と並行して、ワトソンが秘書とメールでやりとりし、ホームズの父親との食事の話が進む。
6時に「ルアー」という店でディナーをすることに。
苦虫を噛み潰したような顔のホームズ。

確執があるのはわかるけど行くべき。あなたを心配してのお父様の親心よ。

親父は俺に関心はない単なる義務感だ。それに取り越し苦労はよせ、親父は今日食事には現れない。

なぜそう言い切れるの?

常にその繰り返しだからだ。約束しては破る。
ディナーに出かける準備をするワトソンに、「親父は絶対に来ない!」と言い張って動かないホームズ。

わざと約束を破る人なんていない!

俺の親父はそうなんだ!
ワトソンがホームズの父と対面
ディナーにはワトソン一人で行くことになる。
ホームズの父と対面するワトソン。
ワトソンはホームズの近況を、父に報告する。
ホームズ父は、「ホームズは昔から頑固」「子どもの頃、自宅の柵に登って、私がやめろと言ってもやめなかった」「結局落ちて手首に大怪我をした」「痛いはずなのに自分で手当をして2−3日長袖を着て黙っていた」「今も傷跡をタトゥーで隠している」とエピソードを披露。
ところが父は急に「息子とのセックスはどうだ?」「それもサービスに入っているだろ?」と言い出す。
ワトソンはすぐに、この男性がホームズの父ではないことを察する。

何これ…信じられない、何者?
この男性は、売れない役者でホームズ(もちろん息子の方ね)から依頼を受けてやってきたのだ。
どうせ本物の父親は来ないから、と言われて。
ワトソンの嫌悪と失望と怒りの混ざった顔…😭
っていうか、ホームズ父もホームズ父だし、息子も息子だし、父子もろともよくないぞ〜😅
犯人が判明
墜落現場の砂
ホームズはベルと再び事故機を確認にやってくる。
墜落現場の砂浜に、摩耗のない新しい砂が落ちていたことをホームズは思い出したのだ。
公園局に問い合わせたが、ここ1年新しい砂は撒いていないとのこと。
では、あの砂はどこからきたのか?
墜落機の燃料タンクだ。
燃料タンクに入れられた砂は、はじめタンクの底に沈殿していたが、飛んでいる最中に砂がフィルターに詰まって燃料が流れなくなった。
つまり、重量の問題がなくても、飛行機は墜落してたのだ。
ホームズが燃料タンクを調べると、そこから砂が出てくる。
誰かが、燃料タンクに砂を入れて細工をした。
ジェラードに、その現場を見られて殺害したのだ。
ワトソンご立腹
ワトソンが帰宅。
静かに、でもものすごく怒っているのにも気づかず、喋り続けるホームズ。

秀逸なドッキリだっただろ?俺の言った通り、親父は来なかった

飛行機に細工されていたことがわかったんだ、新しい手がかりもある、早速容疑者に会いにいくぞ!

帰りを待っててやったんだ、感謝しろ

・・・私は寝る

俺の言うことを信じなかったからだ

もう何週間も一緒にいるのに自分のことは何一つ教えてくれないじゃない、信じられるわけないでしょ?
僕の言うこと信じてくれないなら、下品なドッキリしかけちゃうぞ!プン!
って本気で思っているところが、ホームズらしい(IQと反比例して情緒がイタい)よね😅
犯人はバーツ?
ベル刑事と一緒に、バーツの家に行くホームズ。
航空会社に行った時には、明かさなかったが、バーツはパイロットだった。
亡くなったパイロットであるジョーの妻によると、先週バーツとジョーは電話で言い争っていたという。
バーツは「ジョーのリッチなお客さんを横取りして、喧嘩はしたけど仲直りした」と説明。
続けて、ホームズはバーツを追いつめる。
ホームズは、ジョーの飛行機に細工をして墜落させた犯人は、乗客ではなく航空会社に恨みがあったのではないか、と考え、飛行記録を調べた。
すると、バーツがマイアミから戻ってくる時にだけ、66ポンドの重量超過があることがわかった。
明らかに、ヤベー、な顔のバーツ😅
バーツは、マイアミからコカインを密輸していた。
そしてジョーにそれがバレて、やめないと通報すると言われた。
ジョーを消そうと燃料タンクに砂を入れて細工をしていたところを、ジェラードに目撃されて殺害し、貨物室に入れた。
しかし、バーツは、オーナーの車がエンストして助けに行ってたから、今朝は格納庫に行っていない、と主張。
えー、バーツ明らかに、俺犯人です的な挙動なのに🤔
ホームズの歩み寄り?
翌朝、ワトソンが目覚めると、ベッドサイドにはホームズがいた。
驚くワトソン。
もちろん、そんなことはおかまいなしに、話し始めるホームズ。

認めよう、確かに俺は飛行機事故に冷静でいられない。恐怖症じゃないぞ!ただ空港で目につくんだ、パイロットの手の震え、最終チェックした整備士が不機嫌…
それが怖いってことだから笑
一人でベラベラ喋るホームズを遮るワトソン

ええ、わかったわ

まだ怒っているのか?君を信頼している証拠に話しているんだぞ

どこが?知っていることを打ち明けられてもねぇ

欲張るな
ホームズなりの歩み寄りが、かわいいよね🥰(え?ちっとも?)
ワトソンが怒っているのも、自分のことを何も話してくれないって言われたのも、一応気にしてて、ホームズなりになんとかしようとしているんだよね
小学生みたいなやり方で笑!
クーパーの話
航空会社のオーナーであるクーパーが警察署にやってくる。
グレッグソン警部、ベル刑事、ホームズ、ワトソンで話を聞く。
昨日バーツから連絡が来て「実はうちの飛行機で麻薬を密輸をしていた」「ジョーにバレて通報すると脅され、あんなことを…」「ジェラードが殺害された時に、自分と一緒にいたということにしてくれ」と言われたという。
逮捕令状をとって、バーツの家に向かうと、そこにバーツの姿はなかった。
急いで荷造りをして逃げたようだが。
バーツの家には凶器と思われるレンチがあったが、妙だ。
処分もせず後生大事に自宅で保管していたのか?
被害者の血がついたままガレージに放置したのか?
ホームズはレンチについている多年草に注目。
それは、汽水域(淡水と海水が混じる場所)にのみ生えるものだった。
レンチは、最近まで水中にあったが、誰かが回収してここに置いたのだ。
ホームズは、バーツは犯人に既に殺されていると推理。
ガレージの高級オイルの缶の中には、大量の紙幣が置きっぱなしだったのだ。
逃亡するなら、お金は持って行くはず。
バーツの密輸によって利益を得ていた犯人は誰か?
そして飛行機を墜落させるための知識もある人は?
それは、航空会社のオーナーである、クーパー。
クーパーの取り調べ
クーパーは取り調べにも、頑として自分は犯人ではないと主張。
顔色は青く、汗をかき、大量の水を飲むなど、明らかに様子がおかしい。
隣の部屋からマジックミラー越しに、取り調べの様子を見ているホームズとワトソン。
ふと、ホームズの手首の傷が見える。
ワトソンが尋ねると、ホームズは「子どもの頃に、柵から落ちて傷が残った」と説明。
それを聞いたワトソンは、「ちょっと用事ができた」と部屋から出て行く。
偽ホームズの父
その頃、ワトソンは、とある書店にいた。
偽物のホームズの父(を演じた男性)・アリステラに会いにきたのだ。
「よくここがわかったね」と驚く男性店員。
ディナーの店で会った時に、アリステラが本屋のレシートを落としてワトソンが拾ってあげた。
そのレシートの書籍が2割引だった(従業員割引)ことから、そのレシートの本屋にやってきたのだ。
ワトソンは、手首の傷の話が事実だったことで、アリステラがただ雇われただけじゃなくホームズの知り合いだと考えていた。
ホームズが赤の他人に、そんな話をするはずはない、と。
ワトソンは、アリステラから、ホームズの話を聞く。
かつてアリステラは、イギリスで役者をしており、当時10歳のホームズから手紙をもらった。
「キャストの中であなたのヨークシャー訛りだけ完璧だ」と。
それから会って、友人になった。
「彼に友人はいない」とワトソンが言うと、否定はせず「一般的な“友人”とは違うだろうね」と返す。
そして、「君の友人の定義を見直すべきだ」「普通のやり方でシャーロック・ホームズと関わろうとすると、彼は君の前から姿を消してしまうだろうな」と。
アリステラは、ホームズからワトソンのことを聞いていた。
「たとえ仕事なんだとしても、君がいてよかったよ」と微笑む。
アリステラは、薬物に依存していた頃のホームズのことも知っていた。
アリステラがアメリカにきてからは、メールでやりとりをしていた。
時々薬物に手を出していたことは知っていたが、いずれやめると思っていた。
9ヶ月前にアリステラのアパートに突然やってきたホームズは、薬物でハイになっており呂律も回っていなかった。
薬を抜かせて、1日面倒を見たが、あの時はつらかった、と。
ホームズは、意識も朦朧としていて、うわごとで同じ名前を何度も呼んでいたという。
その名は…
クーパー完落ち
一方、取調室のクーパー。
ホームズがやってきて、「トイレには行きたくないのか?」と尋ねる。
昨日、バーツと格闘をした時に、ナイフで深い怪我をしたのではないか?
大量出血のせいで水を飲み続けている。
ずっと接着剤の匂いがしているのも気になっていた。
接着剤で傷を塞いでいるんだろう?
追いつめられたクーパーは、「昨日、金属片でうっかり切ってしまった」と言い訳する。
バーツの遺体が発見されれば、クーパーの血がついているので、言い逃れはできない。
遺体を隠した場所の目星もついている。
州の法律だと最も重くても終身刑だが、連邦警察に移されると罪はもっと重くなる。
今のうちに、自分から話した方がいいぞ?
さぁ、どうする、クーパー?
取り調べシーンはここまでだけど、詰んだクーパーが自供して解決した模様。
“アイリーン”
帰宅したワトソン。

あなたに聞きたいことがあるの、過去のことで

いいだろう、俺は自分の部屋に行くから、俺がドアを閉めて耳栓をしてから、好きに聞け

アイリーンのことよ、彼女のことを話して

・・・・・・・・・
アイリーンの名前を出されたホームズが無言で、数秒ワトソンを見つめるラストカット。
ちょっと目がウルウルしているようにみえないでもない、長めのアップが印象的(イケメン🩷)。
ここで、明らかになった、ホームズにとってかけがえのない存在である“アイリーン”という女性。
薬物依存になった大きなきっかけも、アイリーンだよね。
ワトソンも付添人とはいえ、グイグイいくなぁ。
なかなか依存のきっかけと向き合う方向にもっていけない焦りもあるのかな。
前回はワトソンの過去が一つ明らかになったけど、今回は、ホームズの周辺や過去にスポットが当たり始めてきた回。
ホームズの父子関係、過去を知るアリステラ、そしてアイリーンと。
ホームズの人物像に奥行きが出てきた、うん、好きな回だな。