初めて朗読劇なるものを鑑賞!
その作品は「ハロルドとモード」
元々舞台鑑賞は好きでしたが、朗読劇は初めて✨
TravisJapanのFCでチケット当選して、EX THEATER ROPPONGIの東京公演に行ってきました
先に感想を一言で言うなら
素敵体験だったー!!
つらつらと感想を買いているので、お時間のある方はおつきあいください。
朗読劇「ハロルドとモード」
朗読劇「ハロルドとモード」とは
本作は、1971年にアメリカで公開された映画『ハロルドとモード』を原作とし、2020年より黒柳徹子のライフワークとして舞台化されてきた作品です。
物語の軸は、“生”を全身で肯定する79歳の女性・モードと、“死”に執着する19歳の少年・ハロルドという真逆のふたり。孤独と皮肉に満ちた青年が、破天荒で自由奔放な女性と出会い、やがて心の奥に眠る希望を見つけていきます。“命はやがて終わる。だからこそ、生きることはこんなにも愛おしい”。そんなメッセージを、ユーモアと詩情を交えて繊細に描き出す珠玉のヒューマンドラマです。
6度目のモード役を務めるのは、もちろん黒柳徹子。1977年に来日公演で本作と出会って以来、40年以上にわたり出演を夢見てきた黒柳にとって、モードという役はまさに人生を体現する存在となりました。そして、2025年版のハロルド役に決まったのはTravisJapanの七五三掛龍也。初演(2020)の生田斗真をはじめ、藤井流星(2021/WEST.)、佐藤勝利(2022/timelesz)、向井康二(2023/SnowMan)、松島聡(2024/timelesz)らが演じてきた“ハロルドの系譜”を継ぐ、新たな担い手として登場します。
物語は、狂言自殺を繰り返す19歳の青年・ハロルドと、何事にも縛られず人生を楽しみ尽くす79歳の女性・モードが出会うことから始まります。他人の葬式に参列するという風変わりな“趣味”を通じて距離を縮めるふたり。死に囚われていたハロルドが、モードとの時間を通して少しずつ“生きること”の喜びを知っていく――。ラブストーリーでありながら、人生そのものへの賛歌ともいえる本作は、今年もまた多くの観客の心を揺さぶることでしょう。
共演には、森迫永依、前野朋哉、松尾貴史、和久井映見といった実力派俳優が集結しました。それぞれが異なる“死生観”をにじませながら、物語に深みと余白をもたらします。演出は、2020年の初演から本作に携わるG2が担当。朗読劇としての台本からスタートした本作を、ピアノの生演奏や緻密な間合い、照明や美術にまで意匠を凝らして紡ぎあげるG2の世界観にも、ぜひご期待ください。
copyright © 2020 朗読劇『ハロルドとモード』. All Rights Reserved.
本記事作成時で92歳になられる黒柳徹子さんのラーフワーク的な作品。
原作があるんですね。
舞台鑑賞後の今、読まなくては〜!な欲求が高まっています!
生死を扱う重いテーマの作品かも? それってすごく好みじゃん!
と期待が高まる私💓
ネタバレ感想

ここからはネタバレも含みますので、知りたくない方はお気をつけください!
しめちゃんのハロルド
TravisJapanのFCでチケット取ってるので、一番気になるのはしめちゃんのハロルドです!
ちなみに私は、2024年以前の舞台は鑑賞していませんし、過去のハロルドたちは知りません。
鑑賞前から、狂言自殺を繰り返す、おそらくメンタルでお辛い思いをしていらっしゃるハロルドは、細身で美しい顔立ちのしめちゃんにハマるのではないか、と思って期待していた私。
期待通りの、ハロルドでしたよ(いい意味)!!
(以下個人の見解と感想です)
19歳のハロルドは、裕福な家庭に生まれたが、父はおらず(記憶もない)、毒親であることに無自覚な毒親(演じるは和久井映美さん)ママに育てられた子であり、孤独感でいっぱい、狂言自殺を繰り返したり他人の葬式に参列したり、死に執着した青年です。
友達は一人もいません。
自分の殻に閉じこもっています。
そして、愛車は霊柩車です。
学生時代、理科室に花火を取りに行った際に爆発事故を起こし、校舎が吹き飛んで(結果退学ね)、ハロルドが死んだと思い込んだママがショックで倒れたのを見て、ハロルドは感じたのです…僕が死のうとすることでママの愛情を確かめられる、と。
なかなか病態重めでOMGです!!
ドクターのセラピーにも通っているんですけど、全然成果は出ておらず。
いやー、架空の物語だってわかっていますけどね、セラピー関連の仕事をしている私からするとですね、
もっと本腰入れて、しめちゃん、いやハロルドのセラピーをやらんかい!!
とか思っちゃいましたね。
話がそれました。
しめちゃんのハロルド、私は好きでした。
繊細で、ナヨナヨしていて(褒めてます)、ママの愛情がほしくて、でもそのことへの気づきは薄くて。
母にも主治医にも理解されない、いや理解しようともされない、死への興味と欲求を、モードに目をキラキラさせて語る姿なんて、観ていて切なくなっちゃったよ。
しめちゃんのビジュアル(色白で細身で中世的)と、お芝居(繊細で狂気的)が、ハロルドの病理をいい感じに体現していたと思った。
しめちゃんは、本人はそんなつもりがないのに、結果的に狂気的になっちゃう役柄が合うと思うの。
誰かオファーを!!
ビジュアルが似ている本郷奏多さんとか、若かりし頃の堺雅人さんとかがやっていた、美しきクレイジー、みたいな役をぜひしめちゃんに!
多忙な中、これだけの舞台を観せてくれたしめちゃんを尊敬した。
余談になるけど、カーテンコールのしめちゃんが、すごく素敵だったんだよー!
徹子さんに、やさしく視線を向けて、一緒に手を振ったり投げキスしたりしていて。
2階席の隅から隅まで手を振っていた姿に、アイドルを感じたね笑
ほっこりだよー!!
黒柳徹子、92歳
この舞台の発起人でもあり、ライフワークをしている人物、それが
黒柳徹子さん
知らない人はいないよね、たぶん。
本記事作成時点で、92歳なの。
年齢で人判断するのは失礼だとも思うけれども、90歳を超えて、あのエネルギーはすごいと思う!
2時間弱の舞台、主役でほぼずっと舞台上にいて、セリフ量だって決して少なくない。
2時間弱、客前に座っているだけだって疲労する年齢でしょう?
でも、エネルギッシュにモードを演じていらっしゃる。
きっとライフワークにしているだけあって、この物語の中に伝えたいメッセージがあるんだろうなって。
途中、多少、噛んだりもしたけど、数箇所だよ?
私、徹子さんよりは全然若いけど、仕事でめっちゃ噛みまくってるよ?
後述するけど、
80歳を迎えるモードのセリフ、92歳の徹子さんが言うと、説得力半端ない
舞台を生で観るって、空気感や息遣いとか、その時だけのものなんだなって、感じた。
92歳の黒柳徹子さんが、今日この舞台で発したセリフを、直接耳にしたっとことに、やたらに染み入ってしまった私がいた。
うーん、ちょっと感受性高めな時期だったかな。
「ハロルドとモード」のメッセージにノックアウト
「ハロルドとモード」は、喜劇でありながら、生死といったなかなかに重いテーマをダイレクトに扱った作品なんだよね。
正直、19歳のハロルドが80歳を迎えるモードに、プロポーズだとか、愛しているだとかいう展開は、しっくりこなかったんだけど。
ただ、空虚と孤独を抱えながら生きていたハロルド青年にとって、モードは初めて自分に生きる意味を教えてくれたかけがえのない存在であったんだろうなってことは理解できる。
その心の動きを、ハロルドは恋愛感情だと思ったのかな。
私が、ノックアウトされたのは、モードが80歳の誕生日を迎えた日に、自ら死を選んだこと。
モードは、これまでに様々な経験をしてきて、身辺整理も、心の整理もした上で、80歳で自分の人生の幕を下ろすことを決めていた。
人生の最後に、ハロルドと出会って、ほんのひとときをともに過ごしたけれども、モードにとって、自分の人生を自分の手で終わらせることには、何の迷いもなかった。
ハロルドが、自分を慕おうが、プロポーズしようが、揺らぐことはない生き様のようなもの。
(私だったら、しめちゃん、いやハロルドにプロポーズされるんだったら、生きる!って思っちゃうけど)
ある意味、冷たいようにも、見えるけれども、そんなブレない、揺らがないモードだからこそ、ハロルドは惹かれたんだろうなって思う。
そして、これからも、生きようと思えたんだと。
これで、モードがブレブレだったら、多分、ハロルドもろとも、堕ちてったと思うわ。
私が、印象に残ったモードのセリフを紹介します。
「私たちは何も所有してなんかいない。何も持たずに生まれて、何も持たずに死んでいく」
copyright © 2020 朗読劇『ハロルドとモード』. All Rights Reserved.
「私もいつかは行かなきゃ行けないのよ。誰でもそうよ。変わらないことなの」
copyright © 2020 朗読劇『ハロルドとモード』. All Rights Reserved.
最期の「私もいつかは行かなきゃ行けないのよ」は、鑑賞時は「私もいつかは逝かなきゃ」と捉えていました。
物語全体を通して、
人は誰しも必ず死ぬ、それに例外はない、だからこそどう生きるのか。
ということを、感じずにはいられなかったよね。
いやね、ここまで生き様に関するメッセージを受け取ることになるとは、思っていなかった。
やられたわー(勝手に)
私的には、嬉しい誤算!
俳優さんのスキルに感嘆
今回の朗読劇には、
和久井映見さん
松尾貴史さん
前野朋哉さん
森迫永依さん
が、出演しています。
こんなこと、改めて言うの恥ずかしいんですが、率直な感想として、
俳優さんて、本当にお芝居上手いよね
って(そりゃそうだ)
まず、声の出し方からして違う。
舞台観ると、いつも思うんですが、発声がプロすぎる(当たり前だ)
人の心情って、声の調子や、表情や、体の動きや、諸々で表現するんだろうと思うけど。
朗読劇だと、動きはある程度、制限される。
表情だって舞台では、遠くの席の人には確認しにくい(多くの人が双眼鏡のぞいてたけれども)。
そこで、朗読、声でここまで表現できるのって、すごい力なんだなって改めて感じた次第。
一人で何役もこなす役者さん。
その演技力に支えられている舞台なんだなということを、改めて感じました!
すごいなぁ、ほんと。
会場はどうだった?
私は、東京のEX THEATER ROPPONGIで、鑑賞しました。
着席時の席数920。
2階席の、最前列でしたが、どの席からも舞台がよく見えるちょうどいいキャパの会場だなと思いました。
双眼鏡なくても、確認できる距離感。
舞台にも集中、没頭しやすい。
事前に、上着を持っていくといいっていうポストも見たので、用意していったのですが、秋の雨の日に合わせて長袖で行ったんだけど、外ではちょうどよかったものの、シアター内では、暑ーて、暑ーて、途中から腕まくりました!
入場はスムーズだし、退場は列でノロノ出る形だけど、そこまで混雑はないし。
トイレもそこまで待たないし。
ストレスフリーに鑑賞できましたよ!